中国の古代思想では、人間の一生を春夏秋冬に合わせて考えます。人生は春から始まるのではなく、冬から始まります。
幼少期は、黒の冬「玄冬」です。つまり、種が地中にある、神秘の状態です。これを象徴する動物は亀で、「玄武」といいます。
そして青年期に入るとようやく春になり、青々としてくる。「青春」です。これを象徴するのは龍で、「青龍」といいます。
そして人生の半分ぐらい過ぎると夏になります。これが「朱夏」です。中年の者が人々の注目を一番浴び、軽々と動き、派手に立ち回るので、雀になぞらえ「朱雀」といいます。
そしていよいよ高齢者になると、実りの秋になります。社会にとらわれず天下を睥睨するので、色は白で、「白秋」といいます。動物は虎で、「白虎」となります。つまり、高齢期というのはまさに収穫期なのです。そして一番強い虎です。
又、レビンソンの『人生の四季』によれば、季節と同じように人間にも四季があり、体がどんどん衰えいくけれど、心はむしろ豊かになって、周りの環境とお互いに交流し合うようになるということです。そしてそれが新しい人生のステージを創りだすのだ、と言っています。
「人生100年時代」と言われる現在ですが、一人ひとりがかけがいのない人生を心豊かに輝かせるために、自らの「人生の四季」を見つめていくことが大切なのかもしれません。