「年年歳歳、花あい似たり、歳歳年年、人同じからず」と読みます。
「春になれば、毎年同じように花は咲くけれども、その花を見ている人は、毎年変わって同じではない」と、自然の悠久さと人間の生命のはかなさを対峙させて人生の無常を詠嘆した句です。
これは、『唐詩選』の中、唐代の詩人、劉希夷が「白頭を悲しむ翁に代わって」と題して作った春の詩の第4節です。
古人復た落城の東に無く
今人還た対す落花の風
年年歳歳花相似たり
歳歳年年人同じからず
言を寄す全盛の紅顔の子
応に憐れむべし 半死の白頭翁
今日、東京では桜の開花が宣言されました。
来週末には子供と孫とで花見の予定を立てています。
爛漫の桜の下で、家族と共に行く春を惜しみ、人生の無常を感じると同時にこの世に生きていることの尊さをしみじみと噛みしめたいと思います。
そして今年、一緒に花見をした人と、来年も一緒に花見ができたならば、それはとても幸せなことでありましょうが、そのときは、成長した「同じではない」姿を見せたいものです。
私自身もう六十の齢を超え、詩の如くまさに白頭の翁となりました。
残る人生何かしておかなければと思いながら、今年の春もま桜の下この詩を吟じたいと思います。
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代表 岡 靖弘